親の財産管理には、親が存命であって著しく判断能力が低下してしまう場合とは別に、知的障害や精神障害などのある子どもを育てている親が自分たちが亡くなったあとの財産管理をどうすればいいかという問題があります。重度の障害を抱える子を持つ親は、常に「自分たちがいなくなってしまったら…」と、常に親なき後のことについて悩んでいるといいます。財産管理もそのひとつで、せっかく子どもの生活や介護のために残した財産が、子どものために使われずに悪用されてしまったらと考えてしますのです。

そんなときにも成年後見制度の活用ができます。子が成年者であれば、両親が健在な状態であっても第三者を成年後見人とすることは可能です。報酬が発生しますが、自分たちがいなくあったあとの管理を任せられるため安心できます。ただ、ひとつ問題なのは、子どもが若い場合です。親と同じように、長い間にわたって後見人として子どもの面倒をみることになるため、後見人の選任にも悩んでしまうことになります。そのような場合は、ケースによって子どもに意思能力や親の同意があれば、任意後見契約で後見人を信頼できる法人に依頼することも可能となります。信頼できる法人探しについては弁護士に相談するといいでしょう。

《参考リンク》http://star-law.jp/individual/guardianship/
「スター綜合法律事務所」は成年後見制度についてご相談を受け付けています。

しっかりしていた親が認知症になってしまい、判断能力が著しく低下してしまうと所有している不動産などの財産管理をすることもままならなくなってしまいます。親の財産なので通常であれば、子どもの勝手にすることはできませんが、成年後見制度を活用して、全ての財産に関する法律行為を本人に代わって行使することができます。その場合は、法定後見制度の後見について家庭裁判所に申し立てすることになります。不動産の売却には所有する本人の意思確認が必要となりますが、認知症が深刻な状態になると意思確認をすることができなくなってしまいます。

親に代わって売却を代行するためには、子どもが成年後見人に選任される必要があります。成年後見人に選出されれば、本人に代わって、財産の管理や各種契約の締結をすることができるようになります。また、認知症などで本人が自分の銀行口座から預金を引き出せない状態になってしまった際にも、子どもが勝手に口座からお金を引き出したり、解約したりすることは通常てきませんが、後見人に選任されれば、代行して行うことができます。親の介護や施設入所でまとまったお金が必要になることもあるため、そのような事態になった場合は、早めに弁護士に相談して手続きをとることをおすすめします。

いつの時代でも変わらないのが財産相続をめぐるトラブルです。親が80歳を超えたから親の財産の管理をしたいという相談は実際よくあるそうです。その際、まず考えられるのが、財産管理契約という方法です。契約が結ばれれば、親の通帳や年金の受領などを含む全財産の管理を代行して行うことができるとともに、医療に関する契約や介護認定申請の代行などもできます。当事者同士の同意が重要となるため、後々トラブルが起きないように公正証書などを作成しておく必要があります。この財産管理契約と内容的には似ているもののけって的な違いがある制度が成年後見制度です。

財産管理契約は親に判断能力があっても契約を締結することが可能ですが、成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害など精神上の障害のために、本人に判断能力がない場合に限り後見人となって財産管理ができます。また、財産管理契約は民法上の委任契約に当たりますが、成年後継制度は、家庭裁判所に申し立てをして後見人として認められないとその権利を行使することができません。親が認知症になり自ら財産管理ができなくなってしまったからといって成年後見人になって親の財産を自由に使用したり、遺産相続で他の兄弟よりも優位に立とうと考えたりするのは、人間としての資質を問われてしまうことになるでしょう。家庭裁判所は、時間をかけて本人の精神鑑定や後見人候補者への審問などを行います。たとえ血のつながった子どもであっても、親族の反対などによって、後見人として不適格であると判断されることもあります。